顔のたるみと支持靭帯の関係
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支持靭帯とは
「支持靭帯(リガメント)」とは、顔の骨や筋肉と皮膚を結びつける組織で、強力な繊維でできています。支持靭帯は、骨から真皮までを貫いている「真性支持靭帯」と、筋膜から皮膚を繋いでいる柵状の「偽性支持靭帯」の2種類に分けることができます。
支持靭帯が緩むと皮膚がたるむ
皮膚や脂肪のたるみには、支持靭帯が大きく関係しているという点も知っておきたいところです。皮膚や脂肪を骨に固定する役割を持っている支持靭帯ですが、例えば加齢などの影響によって支える力が衰えてしまうと、皮膚や脂肪を支えきれなくなるために皮膚がたるんでしまいます。
皮膚のたるみは様々な要因が重なって生じる
皮膚のたるみが起こる原因にはさまざまな要因があるといわれています。ここでは、どのような要因がたるみに関わっているのかを見ていきましょう。
支持靭帯・SMAS筋膜の関係
前述の通り支持靭帯は皮膚のたるみに大きく関係していますが、支持靭帯とともに皮下脂肪・筋肉を覆っている「SMAS筋膜」もたるみに関わってきます。支持靭帯、SMAS筋膜が加齢などの影響によって伸び、緩んでしまうことで脂肪や筋肉の組織を支えられなくなってしまい、皮膚のたるみに繋がります。
皮膚の弾力低下によるもの
皮膚の弾力低下もたるみの要因になるとされています。
真皮層にはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が豊富に存在することによって皮膚のハリや弾力を保っています。しかし紫外線や加齢の影響などによってコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸がダメージを受けたり減少したりすると、肌のハリ・弾力が失われてしまいます。
加えて、年齢を経ることで新しい肌細胞を作り出す速度も遅くなるため肌がゆるんでしまい、たるみが起こると考えられています。
表情筋の衰えによるもの
顔には「表情筋」と呼ばれる数多くの筋肉があります。例えば眼輪筋や上唇挙筋、口角挙筋、口輪筋、オトガイ筋、頬筋ほかさまざまな種類があり、およそ40種類あるとされています。
しかし、普段の生活で使っている顔の筋肉は、全体の3割程度。筋肉は使わずにいるとだんだんと衰えていきますので、こちらもたるみの原因になると考えられています。
皮下脂肪の影響によるもの
皮下組織は皮膚の最下層にある部分で、多くの脂肪とその脂肪を支えるための靭帯で構成されています。この部分によって表皮と真皮を支えているという構造になっているのですが、皮下脂肪が蓄積してしまうとその重みが原因で皮膚が下に引っ張られてしまいます。
ただし、年齢が若い場合には肌にハリがあり、皮下脂肪の影響をそれほど受けませんが、年齢を重ねた場合にはそうはいきません。加齢によってエラスチンやコラーゲンが減少している場合には、皮下脂肪の重みを支えきれないためにたるみが起きてしまうのです。
また、紫外線の影響や加齢の影響で支持靭帯が伸びる・傷いている場合にも皮下脂肪を支えるのが難しくなります。このように、皮下脂肪が増えることでたるみが進行するとも考えられています。
骨格の老化の影響
骨格も老化をするのかと驚く方もいるかもしれませんが、年を取ると骨量が減少します。その影響で顔面骨が萎縮すると骨格が変化してしまい、その上に乗っている皮下組織や皮膚が影響を受けてたるみ、くぼみが生じることがあります。
支持靭帯の緩みへの対策
支持靭帯の緩みによるたるみが気になる場合には、美容クリニックなどで治療を受けることでたるみの改善が期待できます。この時に考えられる治療としては、ヒアルロン酸を緩んだ支持靭帯を支えるように注入することや、糸リフトなどによりたるみを物理的に引き上げる方法が考えられます。
どのような治療が自分に適しているかは、まずクリニックで一度カウンセリングを受けると良いでしょう。自分に合った治療法を提案してくれるはずです。
